日曜日の朝。少し時間にゆとりがあり、ゆっくり朝刊を眺めていた。自然とスポーツに関する記事に目の動きが止まる。
横浜市にあるJリーグの練習拠点。最年少のサッカースクールは3、4歳児が対象だそうだ。週1回人工芝のグランドで、「サッカーが上手になるより、思いっきり体を動かすことに重点がある」と関係者の談話。
スクール最初のプログラムは、鬼ごっこ。走る、止まる、人をかわすなど、いくつもの動作を組み合わせた遊び。それが運動に必要な神経の発達を促すと解説している。
「肝心なのは、極力教えないこと」だとも言う。
Jリーグの技術委員を務める大学の先生達も、ドイツや豪州で幼少期の子供を相手にしたスポーツ指導の現場を見て、「ひとつの競技だけでなく、他のスポーツの動きの特性も覚えこんだ方が、将来伸びると経験的に分かってきた」と言う。そんな先生達のアドバイスにより、Jリーグの各クラブの関係者の間では、「単に幼い頃からサッカーに親しめばうまくなるわけではないことに、関係者は気づき始めた」と訴えている。
93年のJリーグ発足当時は、統一の指導書ができ、貢献したと言われている。ところがそれがかえって子供達を型にはめる結果となり、教えられたとおりにプレーする「優等生」が数多くなったと、再び関係者は語る。
見直しが迫られ、すぐに改善されて動き始めたのが、先に紹介したスクールの様子、その後のジュニア期の基本的な考えである。これだけの組織的な取り組みを行っているのは、他の競技団体ではめずらしいのでは。
世界中で就学前、ゴールデンエイジ、ジュニアユース、ユース、それぞれの世代でどんなことが行われているか、世界標準をもっと知ることが大切になってきた。他競技にも真摯に学ぶ姿勢が必要だなあと、つくづく感じ入った。