どうも、力強いフォームでパワーあふれるボールがアタックライン内側に鋭く打ち砕かれるようなスパイクが、最高のパフォーマンスと錯覚に陥る。
「最高の状態で力を入れることが100点でない」、「高いところで強く打つことが100点でない」と塾頭は先頃のスパイクの基のDVD収録中にも指摘している。
“(選手本人が)頑張っているけれど、ボールに力が伝わっていない”光景もよく目につく。エンドラインよりはるか後方へ、或いはネットに引っかかってしまうことも多かろう。それに比べ、“自分(選手自身)は楽だけどボールには力が伝わっている”こんな時も本人が驚くほどのパフォーマンスとなる。
デモンストレーションで塾頭自らが打ち出すスパイクは、本当に脱力された無駄な力の入っていない、しかしボールにはしっかり力が伝わり、かつレフトの位置からストレートにクロスにと、90度近い範囲で打ち分ける。きっとあのスパイクを見た方なら、固定概念は全て吹き飛ぶに違いない。
先のオリンピックでも、アスリートたちのコメントや新聞紙上でも「自然体で戦います」やら「自然体で臨みます」が目についた。間違っても「肩に力を入れて頑張ります」は聞かれない。脱力することが大切だとは気がついているらしい。