今から30年ほど前にアメリカから輸入され、広まってきたのがこのテーピング。アメリカではケガを起こさないために予防を中心として利用されていたにも関わらず、日本で紹介されてからは、どうもケガをした後無理をしてでもスポーツをするためのツールとして広まった感は否めない。
先日、ある中学生が足首を痛め、ギプスを巻いて来院された。2週間後ギプスを外したが、歩行すらまだまだ困難。もちろんこちらは計算のうちではあるが。ところが本人もお母さんも、ギプスを外せばすぐにでも歩けて、走れると思っていたのだろう。あまりに勝手が悪い足首に困惑気味。週末には体育祭も控えており、どうしても出場したいと強い要望を訴えて下さるが、歩く状態もままならず「少し無理でしょう」と返事をするが・・・。「テーピング巻いてもダメですか?」とお母さんもしつこく粘ってくれる。「テーピングは魔法の杖じゃないからね~」と答える。
まずは全快されるのが先決なのだが、わらをもつかむ気持ちも分からぬではない。しかしここはガマンすることも勉強のうちと、分かってもらいたいものである。