医療の言葉と運動の言葉を足し合わせた造語。当然対の言葉として、外科的トレーニングも考えられる。
『内科的』から連想するに、自然治癒を導き出すために本来からだが持ち得る様々な機能・・・すなわち回復力を活性化させるよう、少し弱くなっている働きに対して薬を用いて改善を期待する。『外科的』は、逆に外部からからだを切り開き、直接故障してしまっているところに手を加え、回復を図る。以上のようなことがイメージできる。
週末もティンカーベルズの練習を行った。「モーションバランス」や色々なドリルをもちろん行うわけだが、これらを行っていると、本来人間が持ち合わせている爬虫類や両生類のような、進化の中で獲得した“ニョロニョロ”“ユラユラ”の動きが、まるで芽生えだしてくるように動き出す。新たな動きを作り出すよりも、もともと備わっている人間の自然な動きを導き出しているような気になってきた。少しの薬で、本来持っている自然治癒力を引き出しているような感覚と同じである。ゆえに『内科的トレーニング』と呼んでみた。
先日ある大学の先生による、やさしく平易な言葉で小学3~4年生達の動きが見る見るうちに変化していく現場を見たばかりである。逆に叱咤激励で型にはめ込んだ動きは、直接からだを切り開くわけではないが、心もからだも萎縮した状態で外からとってつけたような動きになり、『外科的トレーニング』と読んでもおかしくはなかろう。
決してからだに傷をつけるような『外科的』処置はなくても、“言葉のメス”で小学生達の心に切り付けている大人にはなりたくない。