梅雨の雨雲につかの間の青空。思わず両腕を目一杯青空めがけて伸ばし、背伸びをしながら深呼吸でも行うととても気持ちいい。
このポーズ立って行えば、小さな子供からお年寄りまで多くの人々ができる。ところが重力に逆らった“逆立ち”、すなわち倒立しながらになると、そんなに簡単な話ではない。倒立の前に側転から取り組み、ウォーミングアップに加えるが、股関節も膝もきれいに伸び切り、体操選手のようにスムーズに動ける選手は数少ない。
あらゆるスポーツに必要なバランス感覚と、どのような姿勢でも自分の思うように手足を動かすことが神経系のトレーニングにもなる。特にバレーボールでは、スパイクやフライングレシーブ、ジャンプトスなどの空中におけるプレーは数多くある。ほんのわずかな一瞬における空中バランスや、ボールに対して体幹部分を中心とした手足の位置や角度が、「うまい!」と唸らせるプレーにつながる。
難度の高い片腕側転、ハンドスプリング、そしてバック転へと、また逆立ちから倒立歩行へと進む。最後はブリッジになり、左右、前後に歩く。その場で左回転、右回転と動く。ここまで動くとなると、三半規管も含めた平衡感覚もかなり鍛えられることになる。
見かけの筋肉量だけでは判断できない、様々な要素が必要であることがわかってくる。