南アフリカの女性博物館員が、漁港で見かけた奇妙な魚が、このシーラカンス。1938年のことだとか。今年はその発見から70年になる。
800年も前に絶滅したはずとされているこの魚。手足のように筋肉で動くヒレを持つ。体内で20~30個の卵をかえし、体長約30cmも稚魚を生むが、海の中で泳いでいる稚魚を見た人はいないそうである。
97年にはインド洋沖でも確認されている。アフリカのものとは約3500万年前に分かれた別種だというが、見分けはつきにくい。深海でゆっくりと進化したそうである。
人類はこの間、ニホンザルの仲間やゴリラ、チンパンジーとの共通の祖先から次々と分かれるなど、かなりのスピードで今に至っている。地球はこうして自分なりの生き方で進化した生物が関係しあって暮らし、その数は3000万種にも及ぶという。
人類は“かなりのスピード”と表現したが、それでも3000~4000万年の話である。私達のからだの中に、進化の痕跡があることは解明されてきた。
たかが10~15年の競技スポーツに関わる時間だが、自然の営みに逆らわず、からだを進化とまでは言わずとも、この流れに沿って発達させることはできるだろう。