今回の自然体バレー塾に参加下さった中学生選手達は、2日間で延べ200名程度。初参加もあれば、しっかりし自然体バレーに取り組んでいるチームもあり、その実はもちろん様々。
2日目の交流会。選手達の動きや練習を凝視して眺めていると、レシーブの姿勢やスパイクの打ち方など、人間を機械のように扱って、正確さを学習させているように見受けられるチームもあった。
東京大学大学院の工藤和俊氏は、興味深いことを語っている。
「『動きの中でリアルタイムに得られる情報をもとに動きをつくり出す』ことが、『予測不可能性』に対処する最善の方法になります。優秀な投手はある一定のフォームを記憶しているから優秀なのではなくて、そのフォームを安定させるための情報を有効に活用することができるから優秀なのです。」
「人間の動作というものは、固定するのではなく、多様性を失うことなく安定させることが大事なのです。」
自然体バレーでは、様々な多様性ある動きを獲得するために、D2ダンスをはじめ、スパダンス、そしてベーシックな動きづくりのモーションバランスやわくわく体操等がある。そして技術習得のためのドリルが、数多く用意されている。
球技系のスポーツは、工藤氏の語る『予測不可能性』が常に起こるわけだから、同じ動作を繰り返し正確さを競う「反復練習」では、効果は思うほど期待できないのではないかと疑問がわいてきた。
工藤氏は次のようにも語っている。
「正確な動作、安定した動作を実現するためには、多様な環境の中で正確さを達成するための練習が必要になります。」
「練習に必要なのは、『繰り返しのない繰り返し』です。」