30年ほど前、夏の高校野球甲子園決勝の前夜の様子が、主催者の某新聞の朝刊三面記事の欄に掲載されていたことを想い出した。
宿舎のご好意で、決勝戦にのぞむ選手達にステーキとトンカツが夕食としてテーブルに並べられたと報道されていた。げん担ぎで「敵に勝つ」・・・ステーキとカツの語呂合わせである。
時代は流れ、当時微笑ましく、そしてうらやましいと感じた食事の風景であったはずだが、現在の栄養学では、大事な試合前にこのメニューは最もタブーとされるようになった。時代の最先端が、時代とともに間違いとなった好例だろう。
今は糖質中心のうどん、パスタ、そしてやっぱりごはんの、エネルギー源になるものが良いとされている。そして野菜サラダでたっぷりのビタミン、ミネラルを摂ることで、エネルギーが効率よく体内で燃焼されることを目指している。
これから毎週のように、大小様々な春季大会が催されるだろう。試合前に「お腹が痛い!」と言い出し、トイレに駆け込む選手も少なからずいる。案外、前夜の食事の影響は大。指導者のカリカリした表情が目に浮かびそうだが、そんな方ほど食事や水分補給について割り合い無頓着なのも多いような気がする。