毎朝のジョギングから帰宅すると、仕事場の玄関前を竹箒で掃き清める。この竹箒の使い勝手がよくなってきた。「なってきた」と説明したのは、竹箒を購入したのが2~3年前。当時は箒の先が勢いよく伸び、花が咲いたように開いていた。毎日使うことで箒の先が丸みを帯び、長さも徐々にではあるが短くなる。そして現在は、箒としての機能が抜群なのである。しかし今後はより短くなり、箒の先の広がりは小さくなるが、柄の部分と同じ太さになっていく分、弾力性が失われ硬さが増していくだろう。
玄関を掃きながら、ふっと気が付いた。この竹箒ってまるで人間の一生に似ているなぁと。思春期から青春時代、何となくとがった雰囲気を人は大なり小なり演出する。そして大人になるにつれ、成長もし、社会に必要な人間となる。そして年齢を重ねるごとに、働き盛りの時ほど頑張れないけれど、要所要所を押さえ、アドバイスや念押しの仕事ができるようになっていく。
なにげなく、そしてどこにでもあるような竹箒。より愛着が増してきた。毎日使って話しかければ、いろいろなことを教えてくれる。