2階のスタンドから他の学校の試合を見学していた。コートは3面、常に6校の選手を見ることができる。
大会2日目、フルセットの好ゲームが続き勝ち上がると、いくら若い中学生達とは言えその疲労はかなりのもの。午後を過ぎた頃から、試合の進行が止まっているコートが見受けられる。よ~く見てみると、あしがつった状態の選手が現れだした。 しばらくして、またひとり。結果が出揃う夕方には、顔見知りの指導者の方々と話す機会があり、「エースがあしをつってしまって」とか、「3年生のひとりがあしつって・・・」などなど、複数の方々から同じフレーズが。
『暑さ=疲労=あしがつる』このような単純な図式で考えられている方々が結構おられる。
あしがつる大きな原因のひとつが、水分不足。そして筋肉内のカルシウムとマグネシウムのバランスが崩れたため。1試合が終わり勝ち上がった場合、単なるミネラルウォーターや麦茶で水分補給を行うと、水分不足は改善できても体内の液体は薄められ、ミネラルバランスは崩れる。単なる熱中症を予防するだけならウーロン茶でもOKだが、スポーツ時の多量の発汗に伴うミネラルの流失は、パフォーマンスの低下に直行する。すなわちあしがつる。
もうひとつの原因と考えられるのが、最近の学生達の朝食抜きである。小生の身近な選手にも、「朝食食べれなぁ~い」と訴える選手は多い。普段食べていない選手が、大会の時だけ栄養たっぷりの朝食を摂っているとは考えにくい。たぶんあしがつる選手は、朝食を摂らない習慣や、摂ってもパンに牛乳程度ではなかろうか。育ち盛りの中高生が1日に2食、いくら一度にたくさん食べるとは言え、身体に必要な栄養素は確保できない。やはり1日3食の大切さを知るべき。
“悔いなく力を出し切る。”あしがつって途中退場することでは、力を出し切ったとはなかなか言いにくいはず。本人にとってもきっと悔しいに違いない。
改めて、日頃からの積み重ねの大切さを認識することができた。