梅雨も最盛期。週末も雨模様。梅雨が明けても、暑さはこれから。毎夜の熱帯夜で寝不足気味の方も多いのではないだろうか。
最近、看護や介護の分野で「腹臥位療法」として知られ、注目を集めている“うつぶせ寝健康法”がある。
常識的に考えると、仰向けに寝たほうが楽で、うつぶせ寝は苦しいというイメージがあるが、人間が仰向けになって寝た歴史は脊柱動物の中でも最近のようだ。
理論的にも、仰向けに寝ると背骨の前を通る大事な血管が内臓の重みで押さえつけられてしまうので、血流が悪くなってしまう。うつぶせに寝ると血管を押さえないから、内臓の血流が良くなる。このことだけでも24時間の内、3分の1は寝ているのだから、影響は大きくなるに違いない。
一番楽な寝姿といわれている「シスムの体位」。うつぶせ寝の状態で顔を横に向け、片足を伸ばし、片足を曲げると全身の力が自然に抜ける。90歳で現役医師として有名な日野原先生も、ご自身が実験台になってやってみたら、うつぶせ寝のほうがずっと肺活量が増えたそうだ。
現在では寝たきりの高齢者の方々に対しても、寝る姿勢が研究されている。生活体力の低下している高齢者にとっても楽な姿勢であるならば、スポーツ選手にとっても悪いはずはない。
蒸暑い夜、寝返りを打ちながら何度となく目が覚めるが、熟睡のヒントのひとつがここにあるかもしれない。