今のこの季節、関西一円では大小様々ながら各地で菊花展が開催されていることと思います。
私の住んでいる近くの公園にも、市民の方々の作品がたくさん集まり、見事な花を咲かせています。よーく花びらを観察しますと、まるで夏の夜空を彩る花火のような細長い花びらで円の型になっているタイプや、女性のヘアースタイルのように花びら自体がカールしたような型になり一輪の花がボリューム感一杯に感じさせるものや、そして小菊まで一体どのくらいの種類があるのか、好奇心をあおられます。
春の花を代表する桜はパッと咲きパッと散るため、昔から日本人好みの花です。(現在はこのような政治家・指導者も少なく、ポストにしがみついているような人物が多くなったような気がしますが・・・)それに比べ秋を代表する菊の、春先から土をうまく配合して苗を植え育てる過程は、田植えから米を作る農作業によく似ているような気がします。ここにも『一粒百行』に通じる、何度も手を加えそして花を咲かすための地道な作業が必要なのでしょう。大自然の中にも様々な花があり、また咲き方も様々なようです。
本来日本人は、農耕による稲作や菊作りそして盆栽のような、気象条件が違う中でも手を加え見事に実や花を作る過程が得意な国民だったはずです。そこには子育てに通じる、地道ながらコツコツ『一粒百行』の精神があったはずです。
しかし昨今の「いじめ」に関わる問題やスポーツ指導における暴力暴言も、農作業や園芸に携わる人々が少なくなったことにも関係があるのではないでしょうか。もう一度原点にかえり、見つめなおしたいものです。