月も変わり11月。別名 霜月とも言われ、朝夕すっかり冷え込む日も多いことでしょう。
わが街橋本市そして五條市も、山あいの中にある街のため、これからはまさしく霜の降りる日も間近に迫っています。山に囲まれた街も住宅の開発のため、今ではかなり山間部も削られ、環境問題にまで発展しそうな気配が感じられます。
ある新聞の対談で、森林環境の保全に尽力されているある大学の先生のお言葉に、森林における自然界の中にキーワードをあげれば、「競争」「我慢」そして「共生」があるとのことでした。「競争」とは土の中の水分を摂取するため、広く深く根をはり、また日光を求めて地上で競っているそうです。そして種類の違う植物同士が生きていくため「我慢」することもあり、また雨の少ない季節に土中の水分栄養を吸収することさえ「我慢」を強いられることは自然界のルールだとも述べておられます。
しかし森林の自然の植物どうしが種の違いを認めながら、成長していくのはまさしく「共生」そのものらしいそうです。決して他の種を傷つけることなくお互いの住み場所を認識しているように成長していくそうです。
はたして人間界はどうでしょうか。『結果平等』か『成果主義』かのどちらかに偏り、バランスが悪くなっています。プロセスをも含めた健全な「競争」が、損なわれているような気がします。
ニュースでにぎわっている高校による履修科目不足など、大学進学を目指した間違った「競争」弊害ではないでしょうか。もちろんスポーツにおける『勝利至上主義』の「競争」と根底では共通しているような気がします。
「我慢」については、自由主義のこちらも弊害でしょうか。品物を欲しがる子供達に容易に与える親達、食べたい時に食べる電車内の若者達の現象のような気がします。「我慢」のとらえ方も人それぞれでしょうが、再考する余地はありそうです。
そして「共生」・・・自分自身の狭い世界だけ、数人のグループの行動と違う人達をのけ者にする・・・いじめに共通するような思考と思っています。○か×ではなく、そこには□も△もある世界、それが本来自然の姿であることを、子供達に伝えなければと感じました。
まだまだ私自身、自然界から謙虚に学ぶことが多いような気がしました。