8月は、小学生から、一般に至るまであらゆる種目の全国大会の月。日頃の練習の成果の賜物によって全国大会に出場し、日本一の栄冠に辿り着くのだろう。量と質、どちらの練習も大事だろうが、その掛け合わされた練習が、どのようなメカニズムで上達して行くのか?常に疑問があった。今分かってきている範囲で、考察してみたい。
スポーツの歴史書を紐解くと、「スポーツは、日常のルーティンワークに閉じ込められている動作を、その拘束から解き放す。人間のありとあらゆる動きを開拓していくこと」記されている。『解き放す』 このキーワードから連想する心の持ち様は、楽しく、ウキウキ、ワクワク感が思い浮かぶが、実際に日本一を目指しての練習には、真逆の、他人からの(主に指導者)窮屈感、圧迫感が付きまとってはいないだろうか。
林 成之医師の著書、思考の解体新書によると、脳内の深部に位置するA10神経群に「面白い」「興味を持った」「好きだ」「意欲をかき立てられた」などの感情が届くことで脳への記憶が高まると述べられている。もちろん勉強も運動も脳内でのメカニズムは、全く同じ。
指導者の側からすれば、ウキウキ ワクワク感の環境をいかに作り出せるか。そして選手は、いかにして、そして月並みだが厳しいハードな練習に対し前向きで、意欲を持ち目的意識を持てるかにかかってきそう。
厳しく、ハードでそして単調でしかもミスが連発するような練習は、面白いはずがない。そんな練習の時こそ、選手が気付かない程の、わずかに上達して来た変化を前向きで楽しくなり、頑張りが効くような言葉でフィードバックしてあげることが、脳の神経発火を促進させる事が次第に判明。
恫喝、しごき、体罰、百害あって一利無しは、最早当然。