一説によると、小学校に入学するまでに、座る・走る・投げる・蹴るなどの動きが約80を数えると。立ち歩き始めた頃から、遊びを通じてこれらの動きを習得していくわけだが、外遊びやからだを動かす機会が減少し、園児の間に覚えるべき動きの数が激減していると。例えば座る動き。イスに座ったり、立ったりするだけでなく、正座、長座、ヤンキー座り(和式トイレの座り方)、片膝曲げての正座、そしてかかとを浮かさず足裏を床につけたままの膝を抱きかかえのしゃがみ込みなども加えると、座る動きだけでも相当数にのぼる。
こんな座る動きが将来のスポーツに結びついていくとは、若いお母さんお父さんにとっては想像し難いかもしれないが、“目で見て脳で判断して動く”の基本、神経回路がそこに生まれる。どんなスポーツでも、誰もが認める「うまい!」とうならせるスーパープレーも、遡ればこんな簡単な日常の動作が源かも。
スポーツ障害にも関わる長座や足裏を床につけたままの膝抱きかかえなどができない場合は、腰痛や足まわりのスポーツ障害の予備軍。
運動会のシーズンも終わりそうだが、イベントだけの興奮・熱狂に終わらず、家の近くの公園や学校の校庭で、色々な動きで走り回ってからだを動かしてもらいたい。