先のバレー塾では誰もが興味津々のスパイクドリルを徹底復習。特に初めの動きと終わりの動きが重要ポイント。指先がダラリとリラックスした状態から、常に肘先行の動き。そしてスパイク後の両足つま先の向く方向と、腕の振り下ろす位置。初めと終わりが“きっちりできれば”中間の動きは自動的に行える脳の仕組み。
またパス練習のリラックスした構えと、両手でボールが放たれた後の指先の形。自然体ではこの形を“ウサギの耳”とも呼んでいる。パスもスパイクと同じく初めと終わりを意識し“きっちりできれば”おのずとボールが生きてくる。塾頭はパスの「ボールが喜んでいる」とも言う。
ここまでは2人ドリルのため、選手も指導者も重要ポイントを意識しながら行える。そしてより実戦に近づくため、3人ドリル、4人ドリルと続くことになるのだが、ここでもあくまで力むことなく、先の重要ポイントを認識しながら、コートの中での選手同士の動線の約束事を守りながら、ボールを落とすことなく反復練習。筋肉と神経をつなげながら脳の記憶をさせるがごとく。
ところが3人以上のドリルになると、先の重要ポイントの意識が薄れ始め、力みも目立ちだし、とにかくボールが落ちないことが最優先になりがち。がむしゃらに何が何でもボールをつなぐは、次の段階か。基礎技術と実戦練習の初めと終わりではなく、ここでは中間のドリルが大事。
遅まきながら段階的ドリルの本当の意味が分かってきた。