引き続き、柿農家のおじいさんのお話から。
色づきの悪い柿にはもうひとつの秘策があるらしい。柿の幹から分かれた枝のまたのところへ、人の手により人工的に枝の皮を剥がし落すそうだ。身の危険を察知した柿の枝は、柿の幹や枝に溜まっている栄養素をできる限り実に送り出し、子孫繁栄を計ろうとする試みをとるとのとのこと。剥皮された枝になる実は次第に色づき、甘みを増すそうな。
ここにも柿の実の成長を通じ、子育て・選手育ての教訓が詰まっているようだ。親自身、自分探しの時間に精を出し、アウトソーシングの子育てが流行りのようにも伺える。選手の心身両面の成長を促すためにも、指導者自らが律せねば。
人生も半ばを過ぎれば、自らの時間や働きを多少割いても、後世に残しておかねばならないことが生まれてくる。柿の枝にも劣らぬよう心したい。