高校野球も佳境に入ってきた。沖縄代表の春夏連覇など話題は多いが、正直なところ、どこが勝ち上がるかの関心は薄い。それより瞬間に起こる様々なプレーの身体操作に興味が尽きない。
芝生の奥深く舞い上がった大飛球に対し、外野手が全力で斜めに走り、最後はダイビングキャッチを試みる。一瞬息を飲むプレーが明暗を分けるのだが、このわずかの差がコォーディネーションの能力のひとつ、定位能力。外野手がボールを落としてはいけないところはバレーボールと同じ共通点もあるが、捕球するまでの時間が長いところに違いもある。
内野手はバウンドしながらこちらに向かってくるボールに対して、どのような身体操作を瞬時に選ぶかも定位能力のひとつ。
どちらにしても球技系のスポーツは、動くボールに対し反対側に動いたり、直角に走ったり、同じ方向にジャンプしたりと、主役のボールに振り回される運命。計算されたボールの軌跡なら連想しやすいが、そうは簡単に問屋はおろさない。
勝手気ままな主役のボールに対し、いかにからだを操るか!定位能力に限らず、色々な能力が必要になるのだが、主役と遊び始める時期は幼すぎることがないことだけは確かなようだ。