ペットの愛犬達は前足で穴を掘ったりおもちゃを押さえ込んだりする。愛猫も前足で顔を洗ったりしている。これらの動きは四足動物が進化してきた中で自動的に備わってきた前腕の回内動作。
ヒトが二足歩行をし始め、二本の前足すなわち腕が自由に操れるようになったわけだが、他の動物達に見られない典型的な動きが前腕の回外動作だと感じている。両手の平に水をため、そのまま顔を洗う何気ない動きではあるが、実は進化の中ではごく最近ヒトが獲得した動作。
脊椎動物が四本の足で移動し始めた頃から備わっていた動きか、後ほどから獲得した動きか。たかだか内側に捻られていくか外側に捻られるかの違いだが、見ているものを魅せらるか否かの違いが現る。
ブロックやネット際で手首だけを使って打ち下ろすパフォーマンスは、全て回内動作によるもの。比べて、レシーブの際やスパイクの“切り返し”時に見られる一瞬の腕は回外動作。
どうやら三分割された骨盤と肩甲骨につられ、上腕の外旋から前腕の回外動作によって魅了するパフォーマンスが生まれていると思われる。
類稀な人がうらやむサイズを持ってしても、原始的回内動作を中心としたパフォーマンスばかりだからこそ、得点はできても今ひとつの大味にしか見られない理由がここに。骨盤から連動し肩甲骨に伝わる回外動作がうまく使えれば、鬼に金棒だと思うが、どうも気づいていない模様。
パラパラ動画のサークルスクラッチ。始終前腕が回外になることで、なめらかな、それでいてエネルギーを内側に溜め込んでいるようにも見えてくる。ただ今“上達味(うまみ)”を熟成中。