あらゆるスポーツに共通する、膝を軽く曲げた、腕をお腹の前に下げた戦闘開始前の構え。土日も多くの小中学生たちのそんな姿をたくさん見ていたが、どうも気になる構え・姿勢が多い。それは骨盤の後傾。
高校生にもなると一段と筋肉も多くなり、からだ全体はがっちりするが、横方向から見る立ち姿は大腿四頭筋が異常に発達している。それも下部の発達している選手が多い。もちろん女子がである。一見スポーツ選手らしく、たくましい容姿と思えるが、骨盤後傾の習慣化により大腿四頭筋に負担が、筋の発達とともに筋の緊張も伴ったものと連想している。単に筋の発達だけなら構わないが、膝蓋骨の位置の異常などから膝痛も充分に考えられる。と同時に腸腰筋や大殿筋の収縮力にも何がしらの支障をきたす、そしてパフォーマンスの低下、原因不明の腰痛になりかねない。
連続して変化していく動きの中のひとコマである、骨盤後傾はわずか一瞬に現れる。からだを前屈すなわち前かがみにしているにも関わらず、骨盤の正しい動きが正反対ではどうにもならぬ。本当に流れるようなゆったりした美しいフォームは、骨盤の動きにも何ら問題はない。からだから離れていくボールの行方ばかりに目を奪われずに、骨盤の隠し味のようなわずかな動きを逃したくないものである。