バレー塾の最中、スパイクを打った直後、右膝が曲がりピンッと跳ね上がる選手を見かける。塾頭はこのような具体的な例を出して、講義の中でも説明してくれたのが連合反応。かなり神経生理学の専門的な働きなのだが、上肢の動きに対して、反対側或いは同側の下肢にも同時に起こってしまう動きをさす。その逆もある。
選手自身もほとんど無意識であることと、指導者もパフォーマンスとは直接影響がないため、見落としがち。というよりも、ほとんど無関心。
されど右膝がピンッと跳ね上がり、左脚着地を続けていると、様々なスポーツ障害が起こる。安静にして痛みがとれたところで、こんな連合反応を繰り返していると、またもや再発。
「右脚きをつけりよ!」なんてアドバイスしたところで、ほとんど改善は無理。塾頭が「両足で着地してごらん!」とワンポイントアドバイスをすると、ものの見事に右膝のピンッとした跳ね上がりはなりを潜め、きれいに両足着地で問題解決。思わず指導者から「オォ~」とため息まじりの感嘆が飛び出した。
ボールの行方や、コートの選手のレシーブ位置を気に掛けることは、もちろん大切な要素であることは言うまでもない。複雑な身体メカニズムを知ることは容易ではないが、技術的な改善が瞬時に目の前で起こる。好例であった。