数日前より2組の親子から相談を受ける。1組は小6の女の子、バレーボール選手。もう1組は小6の男の子、こちらはテニスの選手。どちらもレベルの高い選手2人である。
もちろん2組は面識もなく全く偶然なのだが、相談の内容が右肘内側、すなわち小指側の痛みについて。レントゲン検査の結果、成長期に見られる肘の軟骨部分が激しい筋肉の収縮力によって引っ張られ、強い牽引力が働き、軟骨部分が正常よりも離されており、肘の曲げ伸ばしや内側を押さえると強い痛みを訴える。
2人とも過去の病歴を尋ねると、1人は両足首の外側、足の小指の付け根のところ、腱の付着部分に炎症が起こり、ジャンプの時に痛みが現れていた。もう1人はご存知、腰椎分離症。
どちらも今は回復し痛みはないのだが、これらの病歴からかなり筋肉の収縮スピードが速いものと考える。2人ともプレー中の様子を拝見したこともあり、どちらもバネの効いたパフォーマンスを見せてくれる。その人並みはずれた筋の収縮力のスピードが、残念ながら両刃の剣となり、肘の痛みにつながったと、あくまで個人的にだが推測する。人もうらやむ筋の収縮力により、カンガルーのように飛び跳ねることができることは、成長期の弱くもろい軟骨部分に過重な刺激が加わり、その代償が肘の痛みになる。
腕のストレッチングやアイシングの対症療法ではなく、モーションや関節可動域、関節のアライメントなど、しっかりチェックしていく必要がありそう。リハビリとトレーニングを掛け合わせたD2ダンスも出番が増えそう。
競技力の高さとケガはつきものだが、直接、間接的な原因をできる限り除き、息の長い選手であって欲しいと、切に願う。