海底に棲む細長く、体長3~5cmの生物。世界に約30種で、日本では瀬戸内海や有明海に生息しているらしい。
このナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)が解読され、背骨を持つ脊柱動物の原型に最も近い生物であることがわかってきつつある。すなわち我々人間、“背骨を持つ共通の祖先”とのこと。図鑑で見るナメクジウオが脊柱動物の祖先とは考えにくいが、ナメクジウオ自体には神経はあるが脳はない。脳よりも背骨が先に進化の上で出来上がってきたと考えられる。
さて現代人。背骨はからだの芯、或いは軸のように感じとっていることは、その進化の歴史を知らぬうちにも認識している証か。スポーツでも背骨を含めた体幹部、コアの重要性は特に唱えられている。手足の自由度に比べれば、背骨の動きは限られたものであり、一般的にはその動きの優劣の見極めは困難である。
手足よりも脳よりも先に誕生したと思われる背骨。やはり普段のストレッチなどによる柔軟性の確保や、背骨の動きが多く取り入れられた手足の動きこそが大切であることが、改めて理解できた。
「使わなければ退化する」ルーの原則に当てはまらないよう、努力する必要がある。