一年で最も寒い時期。外出先から帰宅し、冷えたからだに温かい鍋料理などは、からだの芯から温めてくれる。
鍋料理のポン酢に保温効果、抜群の威力を発揮してくれるのが“ショウガ”。主役の肉や魚のちょっと気になるクセを隠し、脇役の野菜などにはビタミンの効果を引き出す力を持っている。そして自らも独特の風味やピリッとした辛味を与え、存在感を示すことができる。本当に奥ゆかしさの中に存在感のある薬味のひとつ。
主人公の選手より、目立ちたがり屋が多い指導者も少なくないようである。“ショウガ”のように弱みのクセを隠し、持っている魅力を引き出せるように自らも心がけたいものである。
半世紀近く前になってしまった東京オリンピック。あの「東洋の魔女」達が金メダルを獲得した瞬間、“鬼の大松”さんは体育館の壁際でにっこり微笑んでおられたと、当時の新聞記者が何かで語っていた。
“鬼の大松”の流れを汲む叱咤激励指導は今だに健在だが、同時に当時の大人がきちんとわきまえていた奥ゆかしさも習いたいもの。
何となく“ショウガ”とだぶってしまった。