経済用語などでよく使われる言葉。企業間競争が激しくなる現在において、企業は“差別化戦略”を試みる。しかし人を育てるとなると、この“差別化”に反射的に過剰反応される方もおられる。一方、“個性”も強調される。頭が混乱しそうになる問題、とりあえずここでは触れず、またの機会に設けよう。
さてこの“差別化”をスポーツに当てはめると、まだまだ試行錯誤の段階なのか、強いチームのものまねが圧倒的になる。そこには“差別化戦略”など、程遠い発想なのだろう。小学生バレーでさえも、強いチームの存在する地域は、ウォーミングアップまでうりふたつ。これをどう考えるか?やっぱり自然体バレーの“自然”に、その回答のヒントは隠されている。
ある雑誌に「象の戦略」と「虫の戦略」が載っていた。地球上で大きい生物の象は、その進化の過程で、今ではたった2種類しかいなくなったらしい。それに比べ虫、すなわち体の小さい昆虫類は、動物の4分の3を占めており、栄華を誇っていると説明されていた。虫たちはそれぞれ特長を生かした“差別化”を計り、いにしえの時代から脈々と子孫を繁栄させている。
「象の戦略」を選ぶか、「虫の戦略」を選ぶかは人それぞれだろうが、自然界に見る生き物の戦略が、全てに通じ多いに参考になる。自然界には他にもヒントはたくさんある。あまりにも身近にある何気ない自然に、原理原則がたくさん隠れている。
『自然体バレー』、改めてこの名前の大きさと奥深さに感服。