自然体研究会メンバーのMLに、小生のスタッフでもある高橋より紹介された2冊の本について、ご記憶の方も多いことだと思う。
やさしい物理学の入門書として『スポーツ上達の力学』(八木一正著)を、週末に目を通した。著者の八木氏は、高校の物理学の教師。スポーツ好きで、ご自身もゴルフが趣味のシングルの腕前。ご存知のように、ゴルフは各種のレッスン書や指導方法・理論はごまんとある。自ら色々試してみるが、今ひとつ納得できるものはない。そこで“物理の目”を通して、スポーツ動作の解明に取り組み始めたとのこと。内容は主に、「作用・反作用の法則」を分かりやすくマンガ絵を使って説明してくれている。
多くのスポーツの動きについて指導者が常套句として用いる言葉。例えば「肘を上げろ!腕を振れ!頭は動かすな!」。もし選手達から「なぜそのようにするのですか?」と質問を受けたら、きちんと説明できる人がどれだけいるだろうか。「昔からこのようにやってきた!」「私達もこのように教えられた!」これでは答えにならないだろう。この本はこれらの答えの糸口が見つかるようだ。
話は少し変わるが、一流の調理人や理美容を職とする者は、彼らが手にする道具へのこだわりも一流と聞く。各家庭にある器具や道具でそれなりの調理や髪型には仕上げられるだろうが、やはりプロとして持つべき物での作品は、やはり家庭ではできないものがある。
今回草野先生のリクエストにスタッフの高橋が速やかに答えを出し、2冊の本を推薦してくれた。治療家としてトレーナーとして、常にアンテナを張り巡らしてくれている証でもある。書店ではあまり見ることのできない教材だ。一流の職人達が道具を愛用するように、プロとしての心構えは同じだろう。身内びいきと思われるかもしれないが、優秀なスタッフ達に感謝。