家のベランダから眺めることができる田園風景。田植えから1ヶ月とちょっと、稲が大きく成長し、背丈が20~30cmほどになりだした。田園の山々と一緒に、一面がすっかり緑のじゅうたんに見える。昨夜の雨の影響もあり、今朝の緑は一層鮮やかさが増した。早朝から農家の人達が、田の水の量の調節のためだろうか、田んぼのあぜ道をゆっくり確認しながら歩いている。
弥生時代にさかのぼる稲作農耕。品種改良も加わり、当時とは生産の効率化は比べようもないだろうが、春から田植えの準備が始まり、夏を過ごし、秋に収穫するサイクルは1000年単位で変化はないはず。
人の成長を稲作と重ね合わせることも多く、『実るほどこうべを垂れる稲穂かな』はその代表作か。
1ヶ月少しでぐんぐん成長する稲ではあるが、最近の人間は大人も子どもも稲作のように成長すると思っている人も少なくないようだ。大人の仕事を含めた社会活動や、子どもの勉強・スポーツも、確かに半年ちょっとで稲穂のように実になるにこしたことはないが、簡単にそうはならず。じっくり腰を据えて成長を見守ることも必要と、最近は特に感じている。
林業の世界では、今植林しても、山から木材を切り出すには孫の代と言われる木材もあると聞く。
手塩にかける新米は大変おいしい。人間の成長は、稲穂よりも木材のほうがふさわしいか。