バレー塾に参加された方のブログに、「子供達が変わっていく。上手になっていくのがわかります。」といった内容を多く見かける。
せん抜きレシーブのドリルの最中も、草野塾頭は長くてひとつのドリルに6~10分ぐらいと思われる時間で、次から次へとドリルメニューを変える。少し困難なドリルの場合、多くの選手達がうまくできずに失敗をする。その会場の雰囲気・様子を見て、うまくできていない選手が多ければスパッと中止し、皆ができるであろうドリルに変えているようにも見える。そして失敗してもいい場合は、あらかじめ「どんどん失敗していいよ!」と呼びかけておく。このあたりのさじ加減は絶妙だ。
脳科学に関する本の中で、小学生が縄跳びを覚え始める頃、4~5回だけ跳べばほとんど同じ回数で失敗しているところを見かける。これは脳がケアレスミス、すなわち失敗したことミスした動きを記憶してしまい、その記憶が消えないうちに再度プレーをすると、同じような失敗を犯してしまう。子供のことだから失敗続きがイヤで違う事に興味を示し、しばらくして縄跳びを再開するとうまく連続して跳べるようになる。
ケアレスミスを反復すればするほど、脳はミスした動きを強力に記憶する。その記憶が自分のプレーのクセになって、脳に刻み込まれてしまう。脳にミスした記憶を定着させないためには、まず休むこと。ミスを忘れる時間を作ることで、頭をリセットしてあげることが大切、と記載されていた。
はてさて普段の練習、できないプレーに対して何度も繰り返させ、15分20分と延々と続く。挙句の果てには小学生に限らず泣き出す始末。苦い経験をお持ちの方も多いはず。(小生もだが・・・反省)今の理論どおりなら、脳に失敗の記憶をどんどん刷り込んでいるわけだから、“上達”するはずがない。
草野塾頭、ドリルの最中にパッと笛を吹いて選手を集め、上手な選手を手本にさせる。他の選手は周囲に集まり座って頭を休め、うまいプレーを視ることによって刺激を脳へ送る。その間わずか5~6分。そしてドリルは繰り返し続く。こうすることで失敗の記憶をさせない、良いイメージを膨らませることができる。1日が終わる頃には、短期間で効率よく“上達”している。おおいに参考になる。見習わない手はない。