元兵庫県滝川二高でサッカーコーチを務め、現在はJリーグ浦和レッズのコーチをしているエンゲルス氏が、新聞紙上に滝川二高時代の高校サッカーについてコラムを記載している。以下は抜粋。
『コーチをしてみて、高校サッカーは素晴らしいと思った。たくさんの部員がいて、毎日のように試合ができる。Jリーグのユースチームの他にこれだけの環境が日本にあることは、サッカーのすそ野を広げるという意味で非常に大きい。ドイツではブンデスリーガ1・2部のクラブを除くと、週3・4回しか練習しない。集まってくる選手も11人に満たないこともある。ドイツと比べれば、日本の高校の環境はかなり有利だ。
一方、高校の部活は義務感にかられて練習している生徒が少なくなかった。一部の高校では、体力をつけるための厳しいトレーニングばかりで、体罰もあった。生徒がつまらなそうな練習をしていた。部活が休みになると喜んでいる選手を見ると、サッカーを楽しんでいるのかなと思った。部員が80人もいると、プロになれるのは強豪校でも年にひとりいるかどうかだと思う。プロになれない人がほとんどだからこそ、生徒にはサッカーを楽しんで欲しいと思った。そうしないとうまくならないし、また続かない。高校を卒業するとサッカーから離れ、ファンにならないことも多い。日本の高校は勝ち負けにこだわりすぎて、楽しむという部分を少しおろそかにしているところもある・・・楽しんで欲しいと思った。』
「楽しむ」という部分の解釈は色々あるだろうが、個人的にはワクワクすることと考えれば、脱線することはあまりないのではないだろうか。
サッカーをバレーや野球、他のスポーツに置き換えても、日本の高校スポーツの現状は大同小異であまり差はないだろう。日本の良い面もたくさんある反面、外国人から見ればおかしい面もたくさんある。おかしな面が特に際立っている昨今があるのだ。
先週末のトレーニングの勉強は、そういった意味でもみんなが頭をひねりながらも楽しみ(ワクワクしている様子)、選手達はCDから流れるメロディーとともに自然に笑顔になっていく。きっと日本中のバレー界の練習風景を変えていくことになるのではないだろうか。けれどその練習風景は、世界中のスタンダードだろう。
有名なジャーナリストも言っている。「日本の常識は、世界の非常識」と。