体育、スポーツの用語を巡って(後半)

 昨日からの続きを。
 一般の生活のなかで、身体を動かす機会が少ないことを、運動不足というのはそれでいいだろうが、スポーツをしに出かけるときは、運動をしてくるとは言わずに、テニス、野球、サッカーをしてくるなどと、具体的なスポーツ名を挙げるだろう。それなのに、学校のなかで組織的に行われる課外スポーツの組織は、運動部と呼ばれている。これに対して音楽や書道などの芸術と、生物・化学などの学術に関する部活動は、文化部と呼ばれている。この分類の名称にも強い違和感をもっている。
 運動部は汗や泥にまみれて、部室も汚くて、というイメージだったが、文化部は芸術や学術など高尚な活動というイメージだ。もっとも国の行政組織の名称が、文化庁とスポーツ庁という、共に文部科学省(文科省)の外局で、スポーツは文化とは違うものという扱いだ。
 文化勲章は文化庁が担当していて、学術や芸術などの文化の発展や向上に目覚ましい功績のある者に授与される勲章である。この「など」にはスポーツも対象となっているが、スポーツ人でこれまでに受賞したのは、スポーツ振興に貢献した平沼亮三と競泳の古橋広之進の2人だけである。これに対して、歌舞伎という1つの古典芸術の役者を例に挙げると5人である。小説家などになれば数えるのが大変なほどである。

 国のトップの考え方がこうだから仕方がないともいえるが、スポーツは文化の範疇には考えられていない、あるいは文化とは思っていてもその文化度は低いという考えがまだ多くの人にあることが、学校での運動部と文化部という課外活動の分類の名称が続いていることに表れているような気がしている。そしてその名称で学校生活を過ごした若い人も、その呼びかたを当たり前のこととして受け継いでいるのだろう。

 興味深かった、用語からの違った視点。
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by kiwatinker | 2017-03-12 05:00 | 一粒百行
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by kiwatinker
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