長娘がお世話になった高校の監督に全国大会の準決勝、決勝戦でタイムをとる時の心境を尋ねてみたことが。フルセットのお互いが一歩も譲らない場面でいろいろなケースがあるがと断られながらも、あの時は相手より先にタイムを取りたくなかったと。そして対戦相手が我慢し切れずタイムを取った際にも、悠然と構え相手の取ったタイムにこちらから仕掛けることはないと言わんばかりに、選手には水分を取らせただけでひとことのアドバイスもなし。器が違う。
先の近畿総体、さすがにそこまでのシーンは見受けられなかったが、どうしても流れが悪く一息入れたいタイミングでタイムを取り、微笑みでコートの選手を迎え何事も語らず水分を取らせ、つべこべ言わずタイムの残り数秒に笑顔で喝を入れる監督も。
たった30秒だが、様々なドラマが生まれそう。タイムアウトを取る時はほとんどが劣勢時、よって過度の緊張やリズムの悪さの為、間合いを取ったりひと呼吸入れたり、冷静さを取り戻したりと心理面が多いのでは。たった30秒の休息で急に技術が向上するようなことは全くないはず。ベンチ前で急ごしらえのパフォーマンスなど、ベンチスタッフの浮き足立ちが伺い知れる。打つ手がない時ほどベンチが呆然ではなく、そんな時ほど指導官の器量が周囲から見られ試されているか。
平時悠然。逆時泰然。