ふらっと立ち寄った街の本屋さん。文庫コーナーの前に立ち、書名に心が動き、腕を伸ばし手に取った本のタイトルが「内臓とこころ」。著者に三木成夫(みき しげお)。すでに故人だが、本来は解剖学者。保育園での講演録だが、大いに知的好奇心を刺激され、200ページ以上の新書を一気に完読。
生物の発達学より、舌と腕はその成り立ちから兄弟であるとか、赤ちゃんの3歳までの発育発達がその後の運動や脳の発達に大いに影響があることなど・・・。一例を挙げると、6ヶ月ぐらいの赤ちゃんが手に取ったモノをなんでも口に入れてなめまわすことなど、これは舌を使ってそのかたち、厚み、モノの立体感を探っており、後々モノの名前を覚えることにつながってくるらしい。その延長線上に、手で触る、歩く、動く。そしてスポーツにつながることを考えれば、どんなスポーツでも上達させるための背景が充分理解できてくる内容。
塾頭曰く、「1時間話すのに1000時間勉強しろ!」まさにひとつのドリルの裏側には、解剖学、生理学、物理学、コーディネーションなどなど、知らないことだらけのからだのしくみとつくりを学ばねば。
あの野口体操創始者の野口三千三氏とも、同じ大学で一緒に教鞭をとっていたようで、また驚き。