確か高校の体育の授業の課題としてあったのが“倒立前転”。マットの上で倒立を3秒、そしてゆっくり後頭部をつけてマットの上で前転し、くるっとひと回りして、両足を揃えてきちんと立ち上がれば満点の合格。
当時は3秒の倒立ができず、試行錯誤で何度も失敗しては挑戦し、練習を繰り返した。体育の先生が「しっかり床を見て!」とアドバイスしてくれたことが今もよみがえる。
当然理由は分からなかったが、現在となっては、頚反射を上手く利用することだったのだなと納得。アゴを上げれば両腕は伸びやすく、アゴを引けば両腕は曲がりやすい。正に倒立の時はアゴを上げており、少しアゴを引けば腕は曲がり始め前転へと。鉄棒の逆上がりも同じ。鉄棒を胸に近づけるためには、アゴを引き、蹴る力を上手く利用すればぐるっと回りやすい。例外がないからこそ身体の「反射」である。
3レシ練習も、ボールに触れることが目的で、ボール扱いが上手くなるためには効果も高いだろうが、ネットの遥か上から打ち抜かれてくるディグの練習は、視線が上向く・・・アゴが上がる・・・腕は伸びやすくなる頚反射が現れやすい。日頃ネットより低いボールの軌道でディグの練習をしているだけでは、当然試合での差はボールの上がり具合となって現れるはず。
練習を積み重ねてきたつもりが、本番ではさっぱり・・・。実は身体のメカニズムの理解不足だとは気付きにくい。