暑い夏、たっぷり汗をかいた後の冷たいビールは格別。あっという間に1杯目を飲みほしてしまうこともしばしば。この理由のひとつが、ビールの中のアルコール分が胃で吸収されるため。
水分補給の水分も胃で吸収されるに越したことはないのだが、水分は胃ではなく腸で吸収されることがほとんど。よって胃の中を早く透過させたいわけだが、水分の中に糖分が多く含まれると、胃の中での停滞時間が長くなる。よって使い分けが必要。
①試合2時間前から直前は、ゼリー飲料、バナナ、熱中症予防キャンディー、スポーツドリンク等でたっぷりのエネルギーや水分、塩分、その他のミネラルを充分にとっておく。
②試合中は速やかに脱水症状を防ぎ、パフォーマンスの低下に陥らないよう充分な水分を吸収させたいので、糖分2.5%程度にうすめたスポーツドリンクがベター。
③試合後の失われた水分や塩分、ミネラルを補給するため、また超回復を目指すことで、スポーツドリンクはもちろん、スイカやアミノ酸系飲料も有効。そしてしっかり栄養満点の食事と一緒に麦茶などで水分補給を行う。
試合前、試合中、そして試合後によって適宜使い分けることが賢い利用法。スポーツドリンクが○か×ではなく、一刻一刻変化していく体内環境に対して、何をどのタイミングで、どれくらい必要とするか、ここでも思考の基本が適用される。
この季節、試合前後で体重が1~2kg減少することはざらにある。これは全て水分の流出によるものだから、夕食から就寝に至る時間までに補給を怠らないことが、翌日の良いコンディショニングにもつながっていく。
最後に胃の透過性をより一層促す水温は、13℃と言われている。ベンチサイドに持ち込むには糖分2.5%程度に薄めたスポーツドリンクをクーラーボックスで13℃にキープしたいところ。