ふたつの「ドウタイ」操作や骨盤・肩甲骨の三分割、そして回外動作などは“つ”がつく年齢からゴールデンエイジ、そして10代を通じて繰り返し行うことで、単なるスポーツ選手以上のアスリート育成として必要な要素。
では、ママさんバレーに始まりパパさん野球など、生涯スポーツとしてどう取り組めば良いか。キーワードは「現状維持」になってきそう。ところがこの「現状維持」が難しい。ママさんでもパパさんでも上手くなるための原理原則から脱線しているにも関わらず、上昇志向が強いため(笑)
分かりやすい例として、プロ野球選手。秋にはシーズンも終わりつかの間のオフを楽しんでいる。が、正月も明ければすぐに自主トレ。オフの間になまった体を鍛え直し、少しでも体力低下を食い止め、来るキャンプのために備える。ところがママさんパパさんに至っては、オフの間は気ままに飲み食い(笑)体重増で迎えた初練習で早くもゲーム開始。これではケガも起こり、生涯スポーツ寿命も短くしてしまう。
「プロでもないし、そんな自主トレまでできないよ!」と聞こえそうだが、別に毎日2時間、3時間も自主トレしなくとも、早朝ウォーキングを試みたり、入浴後のストレッチで柔軟性の確保など、上達するためのトレーニングの原理原則を少しは分かってほしい(笑)
レシーブやピッチングに必要な上腕の外旋と前腕の回外も、肩と肘に付着しているわずかばかりの回旋筋群が主役なのだが、加齢と共に収縮力は弱まり弱化していく。シーズンオフを通じて地道なエクササイズが、下り坂をゆるやかにする「現状維持」。
コートに入り、ボール練習を行いながら、しっかり両腕で面を作ろうとしても、思うようにならず動いてくれないのが筋肉の現実。40代にも入ると「ルーの原則」が自分自身のからだを持って痛切に理解できうる。