小学5・6年生の担任だった先生に「作業をする時は中腰になれ」と言われた言葉をこの歳になって想い出し、当時はいまいちわからなかったがようやく分かるようになってきた。園芸や農業に造詣が深かった先生だったが、その作業姿が今でも脳裏によみがえる。
その姿勢がスポーツに必要とされる低い姿勢につながると。膝関節、股関節を直角近くに曲げて、腰部を前屈させるその姿勢は、肩甲骨から伸びる腕の自由度と強度が増し、思うがままに動かせると同時に、下肢の動きもスムーズにさせる。ただしこの姿勢を保持させるには、関西弁でひとことに言えば「しんどい!」。当然「しんどい」ことは誰もが嫌がり、中学生にもなると中腰とは呼べない姿勢で、腕の力とコントロールを使って加減する。これも関西弁では「横着する」という。
誰にもできることを誰にもできないくらい行う。きっと小学校の担任だった先生が見ていれば、「オイ!もっと中腰になれ!」大声で怒鳴られそうだ。