PNFに用いられる、対角螺旋の動きなどは、本来脳血管障害の後遺症の片麻痺の回復を目指す為のリハビリに使われる技術のひとつ。よって世界共通の科学的根拠のもとで非常に再現性の高い医学でもある。類人猿が歩いて移動し、獲物を獲得するため石や槍のようなものをなどを投げたりする動作が、進化してきた過程の中で必然的に効率の良い動きとして人間がもともと備わった運動回路の一つであることも解明されつつある。このことを踏まえて今日のテーマに移りたい。
小学生に上がった頃の子供に、ゴムボールを全身を使って投げさせると物の見事に、脊柱のスピンと上腕のスピンを使う。ただし、行き先は分からない(笑)2、3年生にもなるとお父さんとキャッチボールを始める。お父さんにとっては親子の絆を確かめる憧れていたシチュエーションではあるが「お父さんの胸をめがけて投げてこい!」となるとどうやら話は、ややこしくなってくる。バレーボールでもスパイクを床に打ちつけようと思い始めると野球と同じく、コントロール優先の“二重振り子投げ”や“垂直振りおろしスパイク”への「運動回路切り替えスイッチ」がオンになり始める。
あのぎこちはないが見事な回旋運動。人間本来備わっているはずなのに切り替えられていく。この責任は重い。