全国大会のベスト4に顔を揃える高校女子バレーボールの練習試合を見る機会を得た。先ずは、朝の8時30分頃アップを始め出した選手達の体調を伺うようにどこの学校の指導者もすでに姿を現していることに驚いた。練習試合が始まれば、すべての指導者達が、“静”か“動”かと問われれば“静”なのである。エンドラインの後方や、サイドラインの横など立ち位置は違えど、ほとんどゲーム中は動かない。威厳を感じる。そしてミスした選手に、語るのである。話し合うのである。コートを指さし確認しあうのである。選手が交代しコートの外に出た選手にも一言、二言アドバイスしているように見られる。その間もコートで起こっているゲームの内容や、選手の動き、ボールの行方を追っている。コートから目を切ることもほとんどない。
練習セットで、勝とうが負けようが、円陣のミーティングはほんの2~3分、空き時間を利用して出来なかったプレーの反復練習を繰り返す。上手くいかないからとその練習を中断させることもほとんどない。
もちろん選手達も、真剣な表情の中に笑顔があり、やらされている練習ではないことが明らか。体育会系特有の大声での返事も、ここでは聞かれない。
後2試合、いや1試合を勝つことができれば日本一に手が届く選手達だから当然意識の高さはうかがい知れるが、指導者側にも最後の一戦に最高の力を引き出させるよう、選手の背中を押すようなな言葉がけや雰囲気作りを行い演出しているようにも伺える。指導者が責任を負い、選手の可能性をしょっている。だからこそトップグループなのだ。それにしても観客数は小生ひとり。贅沢な年の瀬。