小学生達に体育館や教室で「カベをしっかり押してごらん!」と指示すると、写真のようになる。
多くの小学生達は、からだ全体を斜めに傾けて、後ろ足はほぼ伸ばしきるようにして、前足は曲がっている子供もいる。極端な場合、中に浮いている。腕も伸ばしきっていることが多い。“つっかい棒型”である。
小学生ではほとんど見られなくなったが、昔から農業を生業とし力仕事をされている方は、ご覧の“腰の入った型”になる。
腰をカベに近付け、前足・後ろ足の膝を充分に曲げた上で、足の親指の付け根を中心に地面を強く押し、背中と腕の一体感を感じることができる。
2枚の写真を見て“ハッ”と思った方もおられるのではなかろうか。レシーブの体勢、ボールと腕が接触する瞬間のからだの動きのように見える。特に下半身に注目。上の写真は上体ばかりが先行し、つんのめるかたち。そのまま床にバタンと倒れそう。下の写真は、安定感のある腰から下半身の動きが見てとれる。
自然体なからだの使い方は、バレー特有の動きに限らず、力を入れる安定感を作り出す、最大公約的な動きとして捉えることができるのではなかろうか。